グレイディーアの欲7
◇ ◇ ◇
あれから数日が経った。
表向きは、ドクターとの関係は変わらない。これまで通り、必要な時にしか執務室に行かないし、会話も最小限だ。
しかしこの数日、毎晩ドクターの部屋に行ってはお互いを求め合っている。精力剤などなくても、毎晩ドクターはペニスを勃起させているし、グレイディーアの躰を貪ってくる。
「さすがに昼間に自慰をすることもなくなりましたわね」
「まあ……、グレイディーアとしたいし……」
その言葉が嬉しい。そこに愛情があるから、嬉しく感じる。
「あ、あのね、グレイディーア……。今度、一緒に食事でも……、どうかな……」
「食事、ですか?」
唐突な誘いに少し驚いた。
「うん、龍門に良いレストランがあるらしいから、どうかなって……」
「ええ、良いですわね。きちんとエスコートして下さいね」
ドクターの顔がぱっと明るくなる。
素直に感情を向けられると、嬉しい——
自然と綻ぶ口元に、唇が重なる。
乾いて仕方なかった日々が、少しだけ潤ったような気がした。